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耐熱性好酸性菌

特徴

耐熱性好酸性菌( Termo-acidophilic Bacilli : TAB )は、酸性及び高温の条件を好む耐熱性の芽胞を形成するグラム陽性桿菌です。この菌が収穫果実に付着していると、洗浄工程を経ていても完全に取り去ることは難しく、果汁や清涼飲料水の原材料にこの菌が混入すると、異臭成分として知られているグアイアコールや2,6-ジブロモフェノールを産生し製品に異臭や混濁を生じさせ、食品変敗の要因となります。

詳細

耐熱性好酸性菌(TAB)は、その名の通り耐熱性を有する芽胞を形成し、酸性条件(pH2~6)を好む細菌で逆に中性領域で増殖することはできない。その他の特徴として、高温性(耐熱性好酸性菌検査で使用するYSG寒天培地での培養温度は45℃)、好気性(酸素のない条件では増殖することが出来ない)で、その増殖においては特別な栄養を要求しません。 耐熱性好酸性菌の中でもAlicyclobacillus.acidoterrestris(アリシクロバチルス アシドテレストリス)は、腐敗臭の原因物質を産生する代表的な菌株と知られており検証内容にもよりますが、その芽胞の耐熱性は90℃でのD値は10~20分、95℃でのD値は1~5分という報告があります。したがって、菌数によっては一般的な殺菌条件においても生残する可能性があるため注意を要します。

検査方法

社団法人 日本果汁協会によって策定された「耐熱性好酸性菌統一試験法」に従い、耐熱性好酸性菌の検出試験(定性、定量試験)だけでなく、ペルオキシダーゼ法により検出された耐熱性好酸性菌がAlicyclobacillus.acidoterrestrisであるか否かの鑑別試験も対応可能です。
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