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セレウス菌

特徴

セレウス菌は、環境細菌の一種で土壌、河川水などの自然界に広く分布していることから、様々な食品がこの菌により汚染される確率は高く、特に米や小麦などの農産物から高頻度に分離されます。したがって、これらを主原料とする食品は、特に注意が必要です。
セレウス菌は、通常芽胞と呼ばれる状態で存在していることが多く、乾燥、熱、酸、アルカリなどに対して耐性を持っており、芽胞の状態になっているセレウス菌を煮沸や加熱などの調理過程において死滅させることは困難です。
本菌による食中毒は、嘔吐型、下痢型の二種類あり、日本では嘔吐型がほとんどです。

原因食品

チャーハン、パスタ、おにぎり、麺類、肉製品、牛乳、乳製品、洋菓子 など

食中毒症状

嘔吐型は、感染後数時間(1~5時間)で激しい吐き気を感じ、嘔吐を繰り返します。下痢型は、感染後8~16時間で下痢が続きます。

予防のポイント

食材は常に新鮮なものを使用する。
調理時は十分加熱し、調理後は早めに食べる。
一度に大量の米飯や麺類を調理しない。
米飯やゆでたスパゲティーを常温放置しない。

詳細

§1.
【分類】
バチルス( Bacillus )属、好気性又は通性嫌気性のグラム陽性有芽胞桿菌。

§2.
【特徴】
発育可能な温度は10~48℃、至適温度28~35℃。土壌、塵、水等自然界に広く分布し、穀類・農産物からもよく検出されます。芽胞を形成することで耐熱性を有するようになり、加熱しても死滅せず生残したセレウス菌が、冷却後発芽することで増殖し、食中毒の原因となります。
嘔吐型食中毒の原因食品として、チャーハン、パスタ、おにぎり、麺類など穀物を主原料とする食品、下痢型食中毒の原因食品として、肉製品、牛乳、乳製品、洋菓子などが挙げられます。

§3.
【検査方法】
NGKG寒天培地、MYP寒天培地などの選択分離培地で培養後、セレウス菌様集落が得られた場合は、普通寒天培地などの非選択性培地で純培養を行います。純培養後、グラム染色や生化学的性状試験を実施しセレウス菌であるか否かを判定します。
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