技術情報

技術情報 細菌等の詳細

サルモネラ属菌

特徴

サルモネラ属菌は、自然界に広く分布し、家畜(牛・豚・鶏等)やペット(犬・猫)もこの菌を保有している場合があります。食中毒の原因菌の一種であり、肉類、卵製品などから検出されます。特に近年ではサルモネラ属菌による鶏卵汚染が急増し、鶏卵内にも本菌が認められることがあるので注意が必要です。サルモネラ属菌による食中毒は、肉類や鶏卵を用いた食品の加熱不足、不衛生な保管等が原因となり発生する場合が多く、そのほかにネズミやハエ等によっても汚染される場合もあります。

原因食品

卵、洋生菓子、卵焼き、自家製マヨネーズ、魚肉ねり製品、牛乳等

食中毒症状

潜伏期間は、12~72時間、その多くは18~36時間が一般的です。吐き気、発熱、腹痛、嘔吐、下痢などの症状を示し、通常2~3日で症状は和らぎ、6~7日後快方に向かいます。

予防のポイント

サルモネラ属菌は、比較的熱に弱く、一般に70℃、数分間の加熱により死滅することが知られています。この特性から食中毒の予防法として以下の対策が挙げられます。
肉類は、十分に加熱してから食べる、卵は冷蔵庫で保管し賞味期限内に出来るだけ早く食べる。
包丁、まな板、布巾などはよく洗い、家庭用の漂白剤や熱湯等を用いて十分に殺菌する。
調理後は早めに喫食し、長期保存は避けるようにする。
菓子の製造には、殺菌済液卵を使用する。
近年では、ペットからの接触感染も食中毒の要因となっており、ペットを触れた後は、十分な手洗いと殺菌が効果的である。

詳細

§1.
【分類】
腸内細菌科、サルモネラ属に属する細菌の総称、ブドウ糖醗酵性のグラム陰性無芽胞桿菌。

§2.
【特徴】
生育可能な温度は15~41℃、比較的乾燥に強い細菌です。食品では食肉(牛・豚・鶏)、鶏卵やこれらを使用した製品から検出される事例が多いことが知られています。

§3.
【検査方法】
サルモネラ属菌検査においては、製造加工工程により損傷を受けた(損傷菌)、休眠状態、汚染菌数が比較的低いことを考慮し、検出率を高めるために最初に緩衝ペプトン水やEEMブイヨンなどを用いた増菌培養を実施します。増菌後の培養液について、RVやTTなどを用いた選択増菌培養、さらにそれらの選択増菌後の培養液について、DHL寒天培地、XLD寒天培地などを用いた選択分離培養を行います。培養の結果、サルモネラの疑わしい集落について鑑別同定試験を行います。
検査項目検索
検査項目・料金