黄色ブドウ球菌
特徴
34種類あるブドウ球菌の一つである黄色ブドウ球菌のみに病原性が有り、これは自然界に広く分布しており、健康な人の皮膚や口の中にもいる人の常在菌です。この細菌によって起こる食中毒は、この菌の産生する耐熱性毒素(エンテロトキシン)が原因となります。この毒素は熱(100℃30分でも不活性化せず)や乾燥には強いため十分な注意が必要です。
黄色ブドウ球菌によって起こる食中毒は、おにぎり・サンドイッチ・にぎり寿司・ケーキ等さまざまな食品が原因となり、調理者の手指により食品を汚染する場合が多く見られます。特に手指に化膿性疾患のある人から食品を汚染することがあります。
黄色ブドウ球菌によって起こる食中毒は、おにぎり・サンドイッチ・にぎり寿司・ケーキ等さまざまな食品が原因となり、調理者の手指により食品を汚染する場合が多く見られます。特に手指に化膿性疾患のある人から食品を汚染することがあります。
原因食品
おにぎり・サンドイッチ・ケーキ・握り寿司
食中毒症状
飲食後、数時間以内に吐き気や激しい嘔吐が起こりますあまり高熱を伴うことはありませんが、腹痛や下痢を伴う場合もあります。
予防のポイント
- ・
- 手指に傷や手荒れのある人は、直接調理にたずさわらない。
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- 調理にかかわる人は、十分な手洗い・消毒を行う。
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- 調理中むやみに頭髪や衣類に触ったりしない。
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- マスク・帽子・使い捨て手袋などを着用して調理する。
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- 包丁・まな板・布巾などはよく洗い、漂白殺菌液や熱湯等を用いて十分殺菌する。
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- 調理後は早めに食べるようにし、室温で長時間放置しない。
詳細
- §1.
- 【分類】
ミクロコッカス科スタフィロコッカス属でこの中には黄色ブドウ球菌---病原性、表皮ブドウ球菌---非病原性、腐生ブドウ球菌---非病原性等がある。 - §2.
- 【特徴】
・人の手指・皮膚・鼻腔・喉・頭髪等に付着、常在菌
・傷口を化膿させる性質がある。
・発育可能温度10~45℃ 至適温度35~37℃
・食塩耐性菌(食塩濃度7.5%でも発育)
・エンテロトキシン産生、毒素型食中毒菌 - §3.
- 【エンテロトキシンについて】
・食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌の産生する毒素をいう。
・耐熱性毒素で120℃、20分加熱でも分解しない
・比較的、酸・アルカリに強い - §4.
- 【検査方法】
推定試験として、卵黄加マンニット食塩寒天培地を用いた塗抹法(35℃、48時間培養)により実施。
黄色ブドウ球菌の疑わしい集落は、純培養後確認試験を実施。 - §5.
- 【エンテロトキシン検査】
・逆受身ラテックス凝集反応法
