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技術情報 細菌等の詳細

腸管出血性大腸菌O157

特徴

この細菌はベロ毒素という毒素を作り出す性質があり、この毒素が体内に入ると腸の血管壁を破壊して出血を起こします。また症状が重くなると尿毒症を引き起こし、時には死に至ることもある為注意が必要です。腸管出血性大腸菌による食中毒は、菌の潜状期間が半日から数日と長い為、発症するまでに時間がかかるので原因食材を特定するのが困難な場合があります。この菌は熱には比較的弱く、75℃数分でも死滅できますが、冷凍庫内などや酸性条件下でも生き残ることがあるので注意が必要です。また、この菌は非常に感染力が強く少量でも感染が成立し、症状が重篤になること、二次汚染することなど、従来の細菌性食中毒とは様相が異なることから平成8年より指定伝染病に指定されました。(現在、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律により、第3類感染症に指定されています)

感染症状

まず激しい腹痛が起こり、下痢を繰り返し血便を生じるようになります。この血便は鮮血を伴います。また腎臓に害がおよび尿が出にくくなり、ひどくなると尿毒症を引き起こすこともあります。

予防のポイント

帰宅後、調理前、食事前には十分手洗い・殺菌をする。
食材はよく洗浄し、中心部まで十分熱が伝わるようにする。(中心温度75℃1分以上)
生肉・生レバーを食べないこと。
生ものは早めに調理し、調理後は早めに食する。
殺菌されていない井戸水は飲まないようにする。(定期的に水質検査を)
比較的低温にも強い為、食品を冷蔵庫で保管していても注意する。
食肉等を扱った包丁・まな板・布巾などはよく洗い、漂白殺菌液や熱湯等を用いて十分殺菌する。
感染者との入浴は避ける。
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