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2006年12月発行(vol.009)

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SUNATEC e-Magazine vol.009 □■     2006/12/1(FRI)
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食の安全・安心に関する情報をお伝えするサナテックのメールマガジン
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このメールマガジンは、弊センターの営業活動を通じて名刺交換させて頂いた
方やホームページにお問い合わせやお申し込みを頂いた方に食品の検査と衛生
に関する情報提供のためにお送りしております。            
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┃Contents ━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━┫
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【 1 】 コラム─────「ポジティブリスト制度施行後6ヶ月を経て思うこと」
東海コープ事業連合商品安全検査センター長
斎藤 勲 様

【 2 】「SUNATECにおける受託内容の現状」
財団法人 食品分析開発センターSUNATEC
カスタマーサービス室

【 3 】 SUNATEC豆知識 ──― 人体に影響をもたらす活性酸素を撃退させる
抗酸化物質とその測定法(ORAC)について その2

【 4 】 イベント情報 ──────── 第92回 食品衛生学会学術講演会 報告

【 5 】 次号予告 ───────――――― 気になる次号は・・・?

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∇1.コラム   ポジティブリスト制度施行後6ヶ月を経て思うこと
東海コープ事業連合商品安全検査センター長 斎藤 勲 様
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「ポジティブリスト制度施行後6ヶ月を経て思うこと」

 2006年5月29日という日は、長く記憶に残る気がする。3年前の5月30
日に改正食品衛生法が成立し、遅くとも3年以内に施行することが決められた。
その時からぎりぎりの5月29日は決められていたのかもしれない。オリンピック
のように毎日カウントダウンしていたのかもしれない。
輸入食品の違反事例は毎日厚生労働省の輸入食品監視業務ホームページで閲覧可
能となっている。食品衛生法違反は主に4種類ある。第6条はカビ毒アフラトキシ
ン、青酸化合物、腐敗、病原微生物汚染など本当に健康を損なう恐れのあるものの
違反であり、これはきちんとやってほしい。第10条は不許可添加物違反、第18
条は器具又は容器包装の違反である。第11条が食品又は添加物の基準及び規格を
定めた部分であり、基準値もしくは一律基準(原則0.01ppm)を超えた検体は基
準違反として廃棄・積戻しなどの回収命令が出される。3月から10月までの違反
数をグラフにしたものが下図1である。

図1
http://www.mac.or.jp/mail/061201/index.shtml

 残留基準のうち暫定基準の増加、一律基準の設定により第11条違反は倍増して
いる。内容としては一律基準違反の第11条3項違反は20件弱(10月の2/3
は生鮮カカオ豆)であるので、多数設定された暫定基準違反が多いと言うことにな
る。暫定基準設定において中国、東南アジアの基準、使用状況は考慮されていない
のでやむをえない結果であろう。輸入業者名を見ていると大手業者名もあり、今回
のポジティブリスト制度への対応の難しさを表しているが、早晩急速にリスク対応
できるところとそうでないところに差が出てきて、弱小業者はコスト的にあわず撤
退するところも出てくるであろう。
国内的には輸入食品程大きな変化は無いが、9月に発生した北海道産のカボチャ
から検出されたヘプタクロル(検出されたものは代謝物のヘプタクロルエポキシド)
と11月に発生した宍道湖のシジミから検出された除草剤チオベンカルブは今回のポ
ジティブリスト制度によるものである。5月29日から有効となった暫定基準はカ
ボチャでヘプタクロルで0.03ppm(オーストラリアとEUの基準の平均値採用)
である。それまでもカボチャを検査するとヘプタクロルエポキシドが検出される事
例はあったと言う。しかし、基準が無いのでなんら対応はされてこなかった。その
まま、知らないまま食べていたと言うことである。29日から急に食べてはいけな
いよと言われても何か釈然としないが、決めたものは先ず守るしかないであろう。
道内66農協が558件のカボチャの自主検査を行った結果6.6%が0.03ppmを超えてお
り、出荷を取りやめた。ウリ科(ディルドリンなどの塩素系農薬の吸収など相性が
悪い)の作付けを避け、土壌改良をするなど対応すると言う。これを機会に全道的
な土壌分析を行いマップを作っておいたほうがいいだろう。
もうひとつは宍道湖のシジミ。確かに宍道湖は周りに田んぼが多く湖に集まって
くるだろう。チオベンカルブの残留基準はなく、今回のポジティブリストは全食品
に適応するという観点からすれば、一律基準0.01ppmが適応されることにな
る。5月に広島市でもシジミからチオベンカルブが0.13ppm検出と言う報告もある。
水質の人の健康保護に関する環境基準としてチオベンカルブは0.02mg/L
(0.02ppm程度)以下が定められている。水田除草剤として使用されると河
川には1ヶ月くらい最高0.3μg/Lの濃度が検出される報告もある。
そもそも魚介類(貝類)にはそんなに基準があるわけではない。農薬だけ見ると
7%くらいにしか基準はない。動物は餌として食べるから基準を設定するのは理解
できるが、魚介類となるとウーンである。こういったものはADIと摂取量から適切に
評価する方法に変えていかないと無駄ばかりが多くなる感じである。マイナー作物
でもしかり。
想定外のことが、当然チョコチョコ発生してくる。こういった問題に皆が色々な
ところで考え、話し合って行きたい。自分たちが今何をやっているのかを広い視野
から客観的に見ながら。

【筆者略歴】 
斎藤 勲(さいとういさお)
岐阜県多治見市生まれ。金沢大学薬学部大学院修士課程終了。
杏林製薬研究所、愛知県衛生研究所(30年)を経て、2004年より
東海コープ事業連合商品安全検査センター長。
残留農薬分析の第一人者。

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∇2.「SUNATECにおける受託内容の現状」
財団法人 食品分析開発センターSUNATEC カスタマーサービス室 
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本年5月にポジティブリスト制度が施行され、6ヶ月が経過しようとしています。
今回はこの6ヶ月を振り返り、ポジティブリスト施行が与えた影響、お客様からの
お問い合わせ、ご依頼の変化をご紹介します。

▼記事詳細はコチラ 
http://www.mac.or.jp/mail/061201/02.shtml

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∇3.SUNATEC豆知識
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先月号に引き続き、抗酸化物質、及びその能力の測定方法の1つであるORAC(活
性酸素吸収能力)の分析値例、及び今後の課題についてご紹介します。

▼記事詳細はコチラ 
http://www.mac.or.jp/mail/061201/03.shtml

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∇4.イベント情報
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●学会参加報告●

 10月26日、27日に開催された第92回学術講演会において、「大量注入GC/MSを用い
たポジティブリスト制対応への検討(第2報)」と題し、残留農薬一斉分析法につい
ての講演を行いました。
今回は、その内容を紹介いたします。

▼「大量注入GC/MSを用いたポジティブリスト制対応への検討(第2報)」
記事詳細はコチラ
http://www.mac.or.jp/mail/061201/04.shtml

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∇5.次号予告
■ 2007年にむけて ■  次号は1月1日配信予定です
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新年にむけて、SUNATECからのご挨拶と、各業界の第一人者の先生方
によるお言葉をご紹介させて頂きます。

次回SUNATEC e-Magazineにご期待ください!
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◆食品安全情報◆ 【11月】
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【独立行政法人農畜産業振興機構】
●中国の記事から(2006年11月10日号)
記事に「1日から農産物品質安全法施行、有機野菜証明偽造に最高10万元の罰
金」、「農業部『動物用医薬品の合格率は76%』」などが掲載されています。
http://alic.lin.go.jp/kokusai/china/chi061110.pdf
[PDF:176KB]
●中国の記事から(2006年11月20日号)
記事に「北京市、使用禁止のスーダンレッド含むアヒルの卵発見」などが
掲載されています。
http://alic.lin.go.jp/kokusai/china/chi061120.pdf
●中国における農産物安全性の動向 ―農産物品質安全法をめぐって―
http://alic.vegenet.jp/yasaijoho/kaigai/0612/kaigai1.html

【厚生労働省】
●加工食品の表示に関するQ&A(第3集:遺伝子組換え食品に関する表示に
ついて)(平成18年11月一部改正)
http://www.mhlw.go.jp/qa/syokuhin/kakou3/index.html
●食中毒・食品監視関連情報
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/index.html
●ノロウイルスに関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
●輸入食品等の食品衛生法違反事例(平成18年10月~)
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/1-4/0610.html
(参考)
食の安全・安心情報「カビ毒」(独立行政法人農林水産消費技術センター)
http://www.cfqlcs.go.jp/info/anzen-ansin/problems/mycotoxin.htm

【食品安全委員会】
●意見・情報の募集
食品添加物公定書の改正に伴う「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚
生省告示第370号)の改正に係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)に
ついての御意見・情報の募集について
募集期間:平成18年11月16日(木)~12月15日(金)17:00まで
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc_foodadditives_181116.html

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運 営: 財団法人 食品分析開発センターSUNATEC
U R L : http://www.mac.or.jp
MAIL : e-magazine@mac.or.jp
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