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生めん類(ゆでめん)の消費期限設定を行うための保存検査を行った際に結果が芳しくなかったケースを紹介します。生めん類(ゆでめん)には、弁当及びそうざい、漬物、洋生菓子、セントラルキッチン/カミサリー・システムと同様に衛生規範があります。衛生規範は、食品衛生法により規格基準の定められていない食品について、食中毒の発生の未然防止のため、製造から販売までの過程全般における取扱い等の指針として、厚生労働省が定めたものです。
図1に生めん類(ゆでめん)の保存検査の結果を示します。消費期限は4日を設定目標としているため、安全係数(0.8)を考慮して、保存条件は10℃で5日間としました。
しかし保存開始2日目で衛生規範の規格を満たすことができなくなりました。
原因として以下のことが考えられます。 |
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図1 生めん類(ゆでめん)の消費期限設定 |
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受入検査や確認体制の不備及び保管管理が不十分で、保管中に何らかの二次汚染を受けた可能性があります。 |
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製造後の製品が高温や多湿等、商品の品質にとって不適切な条件下に保管された可能性があります。 |
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工場内の設備・機器・器具の洗浄や殺菌が不十分であることや、製造時の加熱工程(温度、時間)が不十分である可能性があります。この場合、標準作業手順書どおりに行われているか、記録を確認する必要があります。また洗浄方法や殺菌方法に問題がないか、条件を科学的に効果検証し、妥当性の有無を確認する必要があります。
妥当性を確認する一例を以下に示します。
・洗浄剤が対象となる汚れに対して効果があるのか
・対象となる汚れを除去するに適した温度か
・洗浄器具の選択は適切か
・使用濃度は適切か
・対象となる微生物に対する除菌効果があるか
・洗浄除菌剤の希釈濃度に誤りはないか
・対象微生物に対する加熱条件(温度や時間)は殺菌効果が十分にあるか |
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従業員への衛生教育が不十分であることより、製品が衛生的に不適切な取り扱いを受けた可能性があります。 |
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色調や風味、食感の劣化など品質への影響を避けるために製造条件(特に加熱条件)に無理な箇所はなかったか。水分活性など配合に問題はなかったか。微生物上問題のある原材料を使用していなかったか確認する必要があります。 |
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上記の問題の原因は一般的衛生管理が十分な機能を果たしていないことより発生しています。当センターでは工場や施設の監査・調査等のコンサルティングを行っていますが、このように検査により顕在化した問題・課題につきましても問題解決のサポートを行っております。
改善への取り組みの一例を示します。
・原材料に問題があった場合には再選択を行う。
・管理基準に問題があった場合には、製造工程や保管条件等の見直しを行う。
・従業員への教育訓練や勉強会の実施
・食品7Sの実践(整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・躾・清潔)
・第三者機関による外部監査の実施。各種認証制度の活用 |
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