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抗酸化測定法
 近年、ヒトの老化や生活習慣病に体内で発生する活性酸素・フリーラジカル等の酸化ストレスが関与すると言われています。そのため、酸化ストレスの防止や抑制の観点から、食品に含まれる抗酸化物質(活性酸素・フリーラジカル等の酸化ストレスを抑制・除去する物質)の評価・測定が多く行われるようになってきました。抗酸化物質は、たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維に加えて、第7の栄養素とも言われ、非常に注目されており、食品中では緑茶に含まれるカテキン、赤ワインなどのポリフェノール、植物油やナッツ類などのビタミンE、緑黄色野菜のβ-カロテンやビタミンCなどが有名であります。
 今後さらに食品分野においてはこれら抗酸化物質を開発し、有効に利用するためにも抗酸化活性を評価する簡易かつ迅速に測定する方法が望まれてくると思われます。
 本稿におきましてもこれまでに抗酸化活性を評価する一手段として、米国を中心に海外で知名度が高まっており、本年より弊財団で受託を開始致しましたORACを紹介してきました。しかしながら、抗酸化活性を測定する評価法はORAC以外にも多種多様存在し、それぞれ、利点や不利点を兼ね備えています。そこで、一般に用いられている抗酸化指標(※表-1参照)を紹介し、食品がもつ抗酸化指標の評価に役立ていただきたいと思います。
※表-1 抗酸化指標を見る
 又、本年4月には、食品の抗酸化力の統一指標「Antioxidant Unit」を確立し、その基本の分析法となるORACの標準化を行うと共に、他の主要な抗酸化分析法との相関係数を検証すること、更に食品における抗酸化物質の普及を通じて国民の健康に寄与することを目的として、Antioxidant Unit研究会1)が設立され、抗酸化指標の統一化も期待されています。
 米国では、既に抗酸化活性を表記した食品が上市されており、今後、日本においても抗酸化活性を表記した食品の上市が予測され、消費者の抗酸化活性への関心の高まりと共に、食品選択時の参考としているカロリーや栄養成分に加え、近い将来、抗酸化活性の表示を参考にして食品を選択するようになる日が来るかもしれません。
1)Antioxidant Unit研究会
 弊財団 東京事務所内に事務局を開設しており、食品の抗酸化力に対する統一した指標の確立とその表示の検討を目的としております。
詳細につきましては下記のURLをご参照ください。
「Antioxidant Unit研究会」 Webサイト http://www.antioxidant-unit.com
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