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![]() カンピロバクター(Campylobacter)について
![]() 一般財団法人 食品分析開発センターSUNATEC
微生物検査室 1.はじめにカンピロバクター(Campylobacter)は、食中毒起因菌のひとつで、原因別の細菌性食中毒のなかでも主要な位置を占める、非常に食中毒発生率の高い細菌です。
(参考資料)
食品安全委員会の食品健康影響評価のためのリスクプロファイル(鶏肉等におけるCampylobacter jejuni/coli )によると、カンピロバクターは、2013年現在で26菌種が報告されており、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni )とカンピロバクター・コリ(Campylobacter coli )の2菌種が食中毒菌に指定されています。カンピロバクターは、主に家畜や家禽の腸管内に認められており、ヒトへの感染経路は生や加熱不十分な食肉の摂取や、これらに二次汚染された食材の摂取が考えられています。 2.原因食品と食中毒予防原因食品としては鶏料理が多く、特に鶏の刺身、タタキ、鶏レバーなど生や加熱不十分な状態で食べる料理が多数を占めます。新鮮な鶏肉イコール生食用ではありません。また、生肉から野菜など別の食品への二次汚染、バーベキューや焼き肉による事例もあります。 3.検査方法食材25g(25mL)をプレストン培地などの増菌用培地で前増菌させた後、mCCDA培地やスキロー寒天培地など、2種類の選択分離培地に画線塗抹し、カンピロバクター属菌が疑われる集落の発育を観察します。カンピロバクター属菌は、微好気性の細菌であるため、培養は微好気の状態(酸素5~10%、二酸化炭素3~5%程度の条件下の発育が良いとされている)で行います。疑わしい集落が確認されたら、5個程度の集落を釣菌して鑑別試験を行います。非選択性培地に継代したのち、グラム染色やカタラーゼ試験、オキシダーゼ試験などのテストを行った後、結果判定となります。 4.おわりにカンピロバクター食中毒は、わずかな菌数(数百個程度)が口に入っても発症する可能性があり、食中毒の症状としては比較的軽症で経過する場合が多いとされてはいますが、十分な注意を払うべき食中毒原因菌です。 参考文献
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