一般財団法人 食品分析開発センター SUNATEC
HOME >カテキンについて
カテキンについて
一般財団法人 食品分析開発センターSUNATEC
第一理化学検査室

カテキンとは、主に緑茶葉に含まれるポリフェノールの一種で、その中のフラボノイド、さらにはフラバノール類という種類に入る。ポリフェノールはほとんどの植物に含まれる色素や苦渋味成分で、カテキンはお茶に特有の苦渋味成分のもととなる物質である。他にもポリフェノールの一種として知られている成分も多くあり、ゴマのセサミン、ウコンのクルクミン、ブルーベリーのアントシアニンなどがある。
 お茶が体によいといわれているのは、実はカテキンの働きによるものが大きい。カテキンは単一の化学物質ではなく、さまざまな種類がある。それぞれのもつ機能も異なるため、多機能性物質として幅広い健康効果が期待されている成分である。
 本豆知識では、カテキン類の特徴、作用、効果、また分析方法について紹介する。

カテキン類の特徴

緑茶、ウーロン茶、紅茶などはすべて茶の木(Camellia sinensis)というツバキ科の植物の葉を乾燥させて製造する。生の葉をそのまま蒸すか炒ることにより殺青(葉の酸化作用を抑える工程)した後、乾燥させたものが緑茶(不発酵茶)であり、一方、殺青前に茶葉に内在する酵素により発酵させ、乾燥させたものが、ウーロン茶(半発酵茶)や紅茶(発酵茶)である。
 茶葉中のカテキン類は、乾燥重量で約10~20%を占め、品種や葉位、収穫時期によってカテキン類の組成が異なる。また、カテキン類は発酵中にテアフラビン類やテアシネシン類といった別の物質に変化する。したがって、発酵させない緑茶では、カテキン類の組成や含量は元の茶葉にほぼ一致するが、ウーロン茶(半発酵茶)から紅茶(発酵茶)へと発酵度が進むにつれて、カテキン類の組成が変わり、含量も低下する。緑茶のカテキン類の含量が15%前後に対して、紅茶では5%以下である。
 生の茶葉中のカテキン類のうち、主なものは(-)-エピガロカテキンガレート、(-)-エピガロカテキン、(-)-エピカテキンガレート、(-)-エピカテキンの4種類である。その中でも前の二者の占める割合が大きく、また未熟な葉ほど(-)-エピガロカテキンガレートの割合が高い。また加熱工程がある缶飲料などにおいては、茶葉中に存在した4種類のカテキン類それぞれがエピマー化した(-)-ガロカテキンガレート、(-)-ガロカテキン、(-)-カテキンガレート、(-)-カテキンが存在する。主要なカテキン類4種類の構造式を図1に示す。

主要なカテキン類の構造式

図1 主要なカテキン類の構造式

カテキン類の作用、効果

カテキンには実に多様な生理活性があることが報告されており、最近注目されている緑茶の機能といえば、特定保健用食品にみられるような、脂肪を燃焼しやすくする作用や悪玉コレステロールを低下させる作用など、ダイエットやメタボリックシンドローム対策としての機能である。その他に抗菌・殺菌作用、抗ウイルス作用、活性酸素除去作用、抗アレルギー効果などがあるといわれている。カテキンはポリフェノールの一種であるため、過剰摂取など今後安全性についても議論される必要があるとともに、個別のカテキンを正確に定量することも重要である。

カテキン類の分析方法

カテキン類の定量については、逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフ法により分離定量する分析方法が一般的である。この方法ではカテキン類を分離し、各成分毎に定量できるため、特定の成分の定量や、組成の変化を確認することもできる。高速液体クロマトグラフ法により分析したカテキン類のクロマトグラムを図2に示す。またカテキン類の総量を定量する分析方法として、緑茶中のポリフェノールの多くはタンニンであり、そのタンニンの多くがカテキン類であることから、カテキン類の合計量として、タンニンの比色により定量する方法も古くから使われている。危険な試薬も使用せず、操作性もよいため、簡易的にできる分析方法として、緑茶の品質評価などに用いられている。そのほかにもキャピラリーカラム電気泳動法を用いた分析方法もある。

カテキン類のクロマトグラム

図2 カテキン類のクロマトグラム

おわりに

カテキンは、さまざまな機能をもつ機能性成分として、特定保健用食品や、新しい制度である「機能性表示食品」における機能性関与成分としても注目されている成分である。
 また近年、多くの研究機関においてカテキンのもつ機能の研究がされており、食品としての利用の他、幅広い分野での活用も期待される。

バックナンバーを見る
Copyright (C) Food Analysis Technology Center SUNATEC. All Rights Reserved.