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2016年伊勢志摩サミット開催の年を迎える
一般財団法人 食品分析開発センターSUNATEC
理事長 庄司 正

SUNATECメールマガジン読者の皆様、あけましておめでとうございます。2016年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

契機【2016年伊勢志摩サミット】

昨年6月5日、安倍晋三内閣総理大臣は、2016年サミット(主要国首脳会議)の開催地を三重県志摩市賢島に決定し、「伊勢志摩サミット」とすることを発表しました。その後、開催日程は2016年5月26日及び27日と発表されましたが、開催地の賢島の位置図は別添図のとおりで、伊勢志摩国立公園内、志摩半島の南部に位置します。
 (※伊勢志摩も、SUNATEC(四日市市)も三重県に所在しています。)

2013年、伊勢神宮では第62回式年遷宮(遷御)が行われましたが、その年の参拝者は1420万人、おかげ参りと言われる翌年2014年の参拝者は1086万人に達したそうです。式年遷宮を通じて、三重県や伊勢が全国的に知られる契機となり、地域経済にも大きな恩恵をもたらしました。
 安倍総理大臣も2013年10月の式年遷宮クライマックスの遷御の儀に参列されていますし、総理大臣の年頭伊勢神宮参拝は毎年の恒例行事となっていますので、「伊勢志摩サミット」は早い段階から構想ができていたのかも知れません。

【地元のフィーバー、3310】

そして2015年の伊勢志摩サミット開催の決定は、地元にとっても周辺自治体にとっても、今度は世界にPRできる絶好の機会であり、歓迎ムードだけでなく、各地で様々な取組が目白押しです。
 例えば市民の間でも3310(サミット)という数字が各地で多く用いられ、飲食店のサミット定食の価格にとどまらず、毎年11月恒例の松阪肉牛共進会で優秀賞一席の松阪牛のセリ売り価格は3310万円。「サミット祝い3310万円落札」が新聞の見出しでした。もちろん松阪牛1頭の価格です。

三重県では、伊勢志摩サミットの関連記事が連日大きく報道されています。サミット開催まで4カ月余り、想像を超えたビッグイベントがやってきます。

【素晴らしき地 賢島(かしこじま)】

サミット開催地となる賢島は、「三重県志摩市阿児町神明字カシコ」、伊勢志摩国立公園の中でも特に風光明媚な地で、周囲一帯はわが国でも有数のリゾート地が広がっています。気候は温暖でとにかく景色が美しい。リアス式海岸の英虞湾に面して海、森、真珠筏のコントラスト、夕日の絶景などなど、まさに「素晴らしい」ところとしか言いようがありません。
 特に横山(203m)展望台からは、美しい島々の眺望が見事で、遠くに見える太平洋の水平線は、地球が丸いということを実感させてくれます。かつて2年間志摩保健所に勤務した小生の率直な感想です。
 また、志摩半島は、伊勢湾(内湾)と太平洋(外洋)の両方の海に面し、この豊穣の海からもたらされる多種類の新鮮な魚介類が海女文化や様々な食文化を培い今日に伝えられています。まさに「御食つ国(みけつくに)、美し国(うましくに)」と呼ばれる所以です。
 もちろん食文化を支える食品関係事業者に対して、志摩食品衛生協会の食品衛生指導員さんの自主衛生管理活動は、全国的にもトップレベルで推進されていますし、サミット会場となるホテルグループにも5名の社員が食品衛生指導員の資格をもち、自らの食品衛生の向上はもちろん、ボランティアとして地元の食品事業者の衛生指導に貢献しています。
  「百聞は一見に如かず!」 皆様ぜひお訪ねください。

【伊勢志摩】

「伊勢志摩」という名称が良く使われます。かつての志摩保健所の所管は鳥羽市と志摩郡5町(現在の志摩市)、通常の伊勢志摩観光は、「伊勢、鳥羽、志摩、南伊勢」の区域をさしていますが、なぜか「伊勢志摩」なのです。
 どうやら、「伊勢志摩」は、「伊勢志摩国立公園」の冠の名称からきているのかも知れません。環境省伊勢志摩国立公園HPでは、次の様に紹介されています。

伊勢志摩国立公園は昭和21年に戦後初の国立公園として指定されました。 三重県中央部の志摩半島一帯を区域とし、およそ東西50km、南北40kmにわたっています。沿岸部は典型的なリアス式海岸で英虞湾、五ヶ所湾などの深い入り江と大小多数の島々が繊細で優美な景観を見せています。これら自然景観に加え、真珠の養殖筏、サザエやアワビなどをとる海女の姿、伊勢神宮など悠久の歴史を有する人文的景観が彩りを添え、自然の造った美しさと、人間が創った歴史文化の融合した景観が本公園の特色となっています。

「伊勢志摩」の素晴らしさは、伊勢志摩国立公園協会のHPで存分に味わうことができます。特に、志摩の鳥人と呼ばれた「松本高正」氏のパラグライダーで撮影した画像や動画は注目です。

【2015年の動向とSUNATEC主催公益セミナー】

さて、2015年は、1月早々にカキを原因食品とするノロウイルス食中毒が多く発生しました。また4月施行に向けHACCP導入型管理運営基準が全国の自治体で条例制定され、そしていよいよ4月から食品表示法による統一表示基準と新しい制度として機能性表示食品の届出が始まりました。
 SUNATECでは、これらに対応した専門セミナーを公益目的事業として随時開催し、またメールマガジンでセミナーの内容や関連する情報を発信し好評をいただいてきました。

(1) 2/25 高品質で安全な食品を提供するために
     ~現場視点で考えるHACCP:どうとらえ、どう取り組むか!~

(2) 9/10 かきを美味しく安全に提供するために~ノロウイルス食中毒を考える!~

(3) 12/2 機能性表示食品へのアプローチ
     ~機能性表示食品を正しく理解するために!~

これらの中でも、食品表示法に基づく機能性表示食品の届出制度については、食品事業者にとって一番大きな関心事となりました。セミナー開催に当たっては、まずこの制度を良く理解していただこう、そして難しい課題である「食品の機能性」をどのように解釈すればいいのか、医療や介護に従事する管理栄養士の方々の意見もお聞きしたいと考えました。
 基調講演をこの制度に厳しい意見をお持ちの方にお願いしたこと、事例報告を実際に機能性表示食品の届出をされた事業者さんから消費者庁とのやりとりも含めて話題提供いただいたこと、管理栄養士さんの参加も得られてリスクコミュニケーションが活発になったことで、セミナーは非常に分かりやすい充実したものとなりました。詳細は今後のメールマガジンをご覧ください。

【食品の機能性について考える】

食品の機能性をどう説明したらいいのだろうか?セミナーを終えてようやく小生の腑に落ちた内容は次のとおりでした。
 人が健康であるためには、「1.栄養バランスの良い食事、2.適度な運動、3.十分な休養と睡眠」(健康三原則)が、まず基本的なこと、特に食生活は非常に重要であることを十分認識する必要があります。
 他方、私たちの生体には、主として「1.免疫系、2.内分泌系、3.神経系」(恒常性三要素)の生体調整システムが備わり、相互に連携しながら環境変化などに対応して恒常性が維持されています。そして加齢とともにこのシステムを維持する機能が低下し、様々な症状や病気が引き起こされてくるようになります。
 小生も例外ではなく、還暦を迎え、そして前期高齢者(65歳)になるにつれ顕著にこの現象が当てはまり、医療機関を受診するたびに「加齢」の影響が大きいことを医師から告げられます。振り返ってみれば、健康三原則を意識せず、これまで随分と無茶な生活をしてきました。体のあちこちにその付けが巡ってきているのだろうと感じています。
 その反省の上に立って、医療のお世話になりながらも、健康を取り戻すために、まず必要条件である健康三原則を実践する、そして1.栄養バランスのとれた食事の中で、食品の機能性も意識することで、恒常性三要素にいい影響を与えられるのではないか、と考えるようになりました。
 恒常性三要素など生体の調節機能に直接又は間接的に作用するのが医薬品で、間接的にしかも緩やかに影響するのが食品の機能性ではないか、そんな気がしています。

SUNATECは新検査棟になって1年が経過しました。組織の健康に留意しながら、2016年の事業を推進してまいります。皆様のご支援とご協力をいただきますようよろしくお願い申し上げます。

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