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![]() 「異物検査の豆知識」
![]() SUNATEC コンサルティング室
野村早絵子 第6回目:異物検査事例(4) 原料・食材由来の「異物」これまで紹介した事例からもいえるように、異物が何であるか予想していたものと検査結果が全く異なる場合があります。今回は、そのような事例のなかでも、石やプラスチック、カビと疑われたクレーム品を検査した結果、実際は、原料や食材に由来する物質であることが判明した検査事例を3つ紹介いたします。
1.ハンバーグに混入していた硬質な物質異物は、ハンバーグ喫食中にハンバーグの中から発見された物質でした(図1)。噛み切れないほど硬質であることから、石やガラスではないかというお申し出がありました。
2.魚フライの内部から伸びている物質異物は、調理済みの魚フライから発見された物質でした(図4)。魚フライの内部から伸びている白色のやわらかい物質で、プラスチックではないかというお申し出がありました。
3.昆布に付着している白色の物質昆布の表面全体に白色の物質が付着しており、カビではないか、というお申し出がありました(図6)。
以上3点の事例のように、検査をすることで、クレーム発生時に疑われた物質ではなく、実は、原料や食材そのものに由来する物質であることが証明される場合があります。今回挙げた事例のほかにも、ワインに析出する酒石酸カルシウムやタケノコ・チーズに析出するチロシンがカビや細菌、肉の腸管や植物の皮がプラスチックなどと誤認されることで発生するクレームもあります。クレーム品が原料や食材そのものに由来するものと証明されれば、お申し出をされたお客様の安心や納得につながることも期待されます。クレーム発生時には、見かけ上予想される物質であると本当にいえるのか否かを、検査結果や過去事例を参考に客観的に精査することも求められます。
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