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食品工場の微生物制御へのアルコールの利用技術
食品・微生物研究所 所長 内藤茂三

1.はじめに

アルコールと普通に称しているのは、食品業界ではエチルアルコール(エタノール)を指している。時には酒類一般を指し、また化学的に水酸基を持った物質を指すものである。現在、食品工業はもとより、環境衛生工業、化学工業等広い範囲で利用され、このような広範囲な用途のうち、飲食料関係あるいは薬局方アルコールなど、人体に直接的に使用されるものには発酵法によるアルコールが用いられている。微生物の増殖抑制剤としてのエタノールは非常に古い時代より経験的に用いられて発展してきた。食品保存としては低濃度アルコールが食品に添加されて保存期間の延長に確認され、更に他の保存性向上剤との併用による殺菌効果増大が認められた。これらの食品品質保持剤としての利用の他に、食品工場での二次汚染防止、従業員の手指の消毒、食品製造加工装置・機械及び器具の殺菌及び除菌に利用されている。アルコールは各種細菌やカビの他にウイルスにも作用するがポリオ流行性肝炎ウイルスには作用しにくい。アルコールは70%(重量)程度で最も強い殺菌力を示すのは、微生物の膜の変化を起こす前に浸透して通過してタンパク質を損傷させるためである。希釈された薄いアルコールは殺菌作用を示さないが静菌作用を示す場合もある。しかし静菌作用を示していても栄養素が補給されればすぐ増殖する。大腸菌は20%アルコールでは増殖能力を喪失するが、分裂増殖に必要な栄養素が添加されれば増殖する。このような静菌作用は濃度の低いアルコールが細菌の分裂に必要な栄養成分の補給を阻止しているだけである。しかし30℃で30分間作用させれば35%アルコールでも殺菌力が認められ、40%アルコールでも繰り返し使用により殺菌力が認められる。アルコールの繰り返し使用により殺菌力が落ちる原因の一つはアルコールの飛散による。作用時間を長くし、作用温度を高くすれば低濃度アルコールでも殺菌力が認められる。アルコール殺菌の特徴は、アルコール液に有機物が混入しても殺菌力の影響が少ないことである。アルコールは酒類飲料用と工業用に大別され、酒類飲料については酒税法、工業用はアルコール専売法、用途については医療用としての局方エタノールは薬事法、60%以上の濃度のエタノールは消防法、作業環境について労働安全衛生法より規制を受けている。食品衛生法では食品添加物ではなく、食品とされている。

2.アルコールの殺菌機構

(1)微生物細胞膜の脂質及び脂肪酸組成の変化
アルコールの微生物にたいする殺菌機構で第1に挙げられるのは微生物細胞膜に対する作用である。大腸菌にアルコールを作用させると添加量により細胞膜脂質及び脂肪酸組成が大きく変化する。エタノールのような短鎖アルコール処理ではバクセン酸が増え、パルミチン酸が減少する。この脂肪酸変化は培養温度を低下させた時の細胞膜脂質変化である。このようなアルコールの作用はアルコールを除去することにより元に戻る。アルコール処理により微生物の細胞膜飽和脂肪酸の減少、不飽和脂肪酸の増加、脂肪酸の長鎖化の変化がおき、これらの変化によって微生物はアルコール環境に適応している。このため微生物細胞膜の不飽和脂肪酸が増加するとアルコール耐性が増加する。アルコールによる脂質組成変化の影響も大きいで。大腸菌はアルコールの添加量の増大によりリン脂質の合成が抑制される。微生物菌体内代謝阻害作用に関係する。また微生物菌体の増殖に大きく関係する。低濃度のアルコールは細菌の増殖を阻害するが、アルコールを除去すれば回復する。この作用効果は微生物増殖が不都合な時にのみアルコールを添加する技術に応用された。高濃度のアルコールは致死的である。アルコールの微生物細胞の標的は細胞膜の脂質二重層であり、低濃度アルコールは脂質二重層の中に入り込み、二重層の流動性を増大させ、高濃度アルコールは二重層を不可逆的に破解する。酵母をアルコール存在下で培養すると、細胞膜の不飽和脂肪酸が増え、また細胞膜の不飽和脂肪酸とステロール類の増加させるような培養をすると酵母のアルコール耐性が上昇する。これは不飽和脂肪酸、ステロール類の増加により細胞膜の流動性、組織性が良くなり、アルコールによって生成する細胞膜流動性や組織性の変化に対応できることによる。アルコールは脱共役剤のようにプロトンHの細胞透過性を増加させるため、プロトン勾配が減少し増殖阻害が起きる。このプロトンの細胞膜透過性にも不飽和脂肪酸が関係している。一般的にはアルコール存在下で糖類を添加して発酵させた場合、速くpHを低下させる微生物がアルコール耐性である。これまでの研究成果では細胞膜損傷がアルコール殺菌機構の一つである。
(2)酵素のたんぱく質及び核酸の変化
 生物酵素の構成成分として、たんぱく質及び核酸の存在がある。微生物菌体たんぱく質に対する作用が大きい。アルコールが微生物酵素に作用して微生物増殖阻害及び、殺菌を行う。アルコールの微生物増殖阻害は合成系酵素阻害が中心である。タンパク質の水素結合の切断によるたんぱく質変性による。その多くは脂質合成酵素、ペプチドグリカン合成酵素、ATP合成酵素、DNA、RNA合成酵素の阻害である。ATPの合成阻害が大きく関係する。従来から、疎水性有機溶剤はたんぱく質変性力が弱く、親水性有機溶剤はたんぱく質変性力が強いことが知られている。バクテリオファージの不活化はアルコールによるたんぱく質変性が主原因である。アルコールにより微生物酵素たんぱく質が破壊、変性を受けるために急激な微生物の死滅が生じる。
 DNAはたんぱく質に比較してアルコール耐性が強く、ファージDNAは80〜90%エタノール溶液で処理しても失活しない。細菌類におけるDNA合成もRNA合成に比較してエタノール耐性が強い。DNAにエタノールを作用させた場合の変性について検討されている。
(3)細胞内からの細胞内容物の漏出
低濃度アルコールは、細胞膜からアミノ酸、核酸、リン、カリウム、マグネシウム等の低分子物質の漏出を増大させる。これが微生物増殖を抑制する原因の一つである。アルコールはプロトンHやカリウムの漏出をもたらすことが大腸菌、枯草菌で確認されている。大腸菌をアルコールで処理すると核酸の漏出が増大して死滅する。酵母はアルコールによって細胞膜の組成、構造変化による膜透過性の変化によりプロトン勾配に変化が生じている。このようなアルコールによる低分子物質の漏出は栄養素の蓄積を阻害し、その結果微生物が飢餓状態となり細胞の増殖を阻害する。

3.アルコールによる微生物の殺菌

エタノールの微生物に対する殺菌効果は、その試験方法及び条件、あるいは微生物の種類によって必ずしも一致しないアルコールの殺菌力は65〜75%が一番強く、短鎖アルコールの殺菌力は分子量の増大に従い強くなり、疎水性の強さに比例している。メタノールは40%以上で殺菌力を示し、100%でも殺菌力を有する。エタノール以上の分子量のアルコールは100%濃度では殺菌力は認められない。エタノールの無水物は殺菌効力が劣るがこれは殺菌効果に一部の水が関与することによる。エタノールの殺菌効果は温度の上昇とともに強くなり、エタノールと加熱を併用すると殺菌力は著しく上昇することが昔から知られてきた。エタノール殺菌は短時間処理ではアルコール濃度40%が限界となり、これ以下の濃度では急速に殺菌力が低下する。これは40%以上のエタノール溶液の場合、有機物が存在していても殺菌力はほとんど変化しないためである。低濃度アルコールにおける微生物の増殖を検討した結果では、大部分の微生物は4〜5%まで、一部は7〜8%まで増殖し、10〜20%以下ではほとんど殺菌効果はないが、1%でも静菌効果は認められる。エタノールは細菌、酵母、カビのいずれに対しても殺菌力を有する。しかし細菌芽胞には殺菌効果は認められない。カビの胞子に対しては濃度が高いほど殺菌効果は強くなる。一般的にはグラム陰性細菌やカビに対しては強く殺菌力を示すが、乳酸菌や酵母にはその効果は弱い。エタノール殺菌はたんぱく質や脂質等の有機物が少量共存しても殺菌効果には変化がほんとない。
 エタノールには微生物の熱死滅促進効果、食塩との併用による凍結殺菌促進効果、酸性pHにおける細菌芽胞の耐熱性低下効果、細菌芽胞に対する発芽促進効果がある。

4.アルコールの生体への影響

エタノールの生体への吸収は速いが、その代謝は極めて遅い。エタノール濃度40%(容量)のエタノール飲料を240ml飲んだ時に最高血中濃度は、約1時間以内で0.2〜0.3%となる。血中濃度の減少は遅く、12時間以上経過して消失する。血中エタノールは全身の器官に分布されるので、飲酒運転の検査では風船を呼気で膨らませエタノール濃度を測定する。2Lの呼気は血液1ccと同じ量のエタノールの量を含有する。エタノールは体内で99%が酸化され、大量に吸収した時は10%以上が主として尿、呼気等から排泄される。その他のエタノールは全て肝臓で酸化され、アセトアルデヒトとなり酢酸になる。
 酢酸は体内のあらゆる細胞に利用される。エタノールはこれまで種々に分野で使用されてきた。殺菌を主とした外用、神経痛のための注射、気つけ薬、食欲増進、鎮静作用及び睡眠作用のための飲用等である。エタノールの人間への影響は中枢神経の抑制作用であり、高等な精神活動に関与する脳、衝動的な作用に関与する脳、運動や平衡に関与する脳を抑制して最後には生命の基本的な機能に関与する延髄に達する。
 ラットに対する急性毒性は経口投与でLD50=14g/kg、ヒト推定致死量(経口)は成人で5〜8g/kg、小児で約3g/kg、100%エタノールとして成人で250ml、小児で6〜30mlを30分以内に摂取すると危険とされている

5.アルコールを資化する微生物

エタノールを資化する微生物が食品工場に出現し、多くの問題が発生している。エタノールを資化して食品を変敗させたカビの事例を表1に示した。

表1 エタノールを資化するカビによる食品の変敗
食品 アルコール濃度 変敗現象 原因微生物
ブランディケーキ 1.7% 菌体生成

Moniliella suaverolens var niger

ミニドーナツ 0.7% 菌体生成 Tricosporonoides nigrescence
食パン 0.5% 黄色斑点 Moniliella suaverolens
蒸しケーキ 0.5% 赤色斑点 Moniliella sp.
ロールカステラ 0.7% 赤色斑点 Moniliella sp.
チーズ蒸しパン 0.4% 褐色斑点 Moniliella sp.
生パン粉 0.5% 黄色斑点 Moniliella sp.

エタノール系殺菌剤を食品工場内の施設の殺菌・消毒に単独で常用していると、エタノール耐性菌の出現が予測される。原因となるカビが製造直後の製品から検出されずに、冷却後の製造工程で検出されることがある。この現象は明らかに工場からの二次汚染菌である。エタノールを資化するカビはエタノールを多用する工場に棲みついており、時々製品に二次汚染して変敗の原因となる。 エタノールを資化して食品を変敗させた酵母の事例を表2に示した。

表2 エタノールを資化する酵母による食品の変敗

食品 アルコール使用 変敗現象 原因微生物
ロールカステラ ブランディ、ラム酒 シンナー臭

Pichia anomala

餃子の皮 発酵調味液 シンナー臭 Pichia anomala
生めん 発酵調味液 シンナー臭 Pichia anomala
稲荷寿司 食酢、製造工程殺菌 シンナー臭 Pichia anomala
ソフトゼリー ラム酒 シンナー臭 Pichia anomala
チョコレートケーキ ラム酒 シンナー臭 Candida cacaoi 
アップルパイ ラム酒 シンナー臭 Saccharomyces sp.

乳酸菌に対しては40%エタノールではほとんど効果がないが、大腸菌や黄色ブドウ球菌には効果がある。最近、ガス置換包装、真空包装、脱酸素剤使用包装、粉末エタノール剤使用包装が普及するに伴い、また防腐剤及び殺菌剤としてエタノールがよく用いられるようになってきてから従来あまり問題とならなかった食品にシンナー臭(酢酸エチル臭)が生成する現象が多発するようになってきた。シンナー臭の生成した食品の共通点は、食品保存料、風味改良剤、殺菌剤としてエタノールを使用し、エタノールを資化する酵母が増殖していることである。これらの酵母は食品製造工場に生息しており、エタノールや次亜塩素酸ナトリウムに抵抗性のあるものが多い。これらの酵母の殺菌にはエタノールや次亜塩素酸ナトリウムと殺菌機構が全く異なるオゾン(オゾン水、オゾンガス)が効果的であり、多くの食品工場で採用されている。

6.アルコールの特徴

(1)エタノール殺菌の長所
エタノールは強い殺菌力があり、幅広い殺菌スペクトルと人体への安全性から食品工場では機械、装置、手指、床の殺菌に利用されている。その長所として耐性菌が出来にくい、殺菌速度が速い、無色透明で揮発性である、有機物の溶解性があり洗浄力がある。液体であるので使いやすい。殺菌効力を高める方法が多くある。エタノールの静菌・殺菌効果を高める手段として、加温処理、紫外線処理、他の薬剤処理との併用がある。エタノール溶液自体の温度が殺菌効果に及ぼす影響も大きい。−5、5、10、15℃とエタノール液体温度が上昇するに伴い殺菌効果が上昇する。
エタノールの蒸発速度は濃度に依存し、30℃での常圧速度を表3に示した。エタノールの蒸発速度は濃度に依存し、30℃での常圧速度を表3に示した。

表3 エタノールの蒸発速度(30℃)
エタノール濃度(%) 放置時間(h) エタノール残存率(%)
99.5 1 75
99.5 2 30
99.5 3 0
80.0 1 90
80.0 2 60
80.0 3 32
80.0 4 18
80.0 5 14
70.0 1 90
70.0 2 60
70.0 3 38
70.0 4 25
70.0 5 20

99.5%エタノールは直ちに蒸発するが、他のエタノール液は水分が残存し、微生物の増殖の原因となる。

(2)エタノール殺菌の短所
エタノールは可燃性があり、殺菌力に持続性がなく二次汚染防止には効果が薄い。エタノールは常温により気化するため接触時間が短いと殺菌が不十分となることによる。夏季の高温の季節ではエタノールを散布後放置しておくと、気化にしたがって空気中の浮遊菌が落下して二次汚染が生じる。細菌の芽胞には殺菌力がない。エタノールの持つ脱水作用のため食品の表面が脆くなったり、固くなったりする商品劣化がある。エタノール臭が商品のクレーム問題となる。プラスチック製品の殺菌に用いると材質が硬化し、透明度が低下する。50%以下のエタノールの殺菌効果は弱く遅い。また100%では脱水効果によって殺菌効果は低下する。酵素阻害やたんぱく質変性による不都合がある。エタノール蒸気による従業員の健康管理の問題、更にはアルコールの引火性による消防法の適用を受け建造物の防火、防爆構造への改築、コストがかかる等がある。
(3)エタノール製剤
エタノールを利用した微生物制御には、エタノール及びそれに有機酸やグリシン、グリセリン脂肪酸エステル、リゾチーム、ポリリジン等を配合した製剤があり、殺菌や静菌の目的で使用されている。最近ではエタノール濃度を下げて、天然物を組み合わせたエタノール製剤が多い。食品衛生分野で使用されるアルコール製剤は2種類以上の添加物が加えられている。各エタノール製剤会社は用途、目的に応じて適当な添加物を選択している。一般的に多いのは食品製造機械洗浄剤、食品衛生用除菌剤である。エタノールへの添加物は各種食品添加物の中から選択され、エタノールは低pHで殺菌効力が向上するので各種有機酸及び有機酸塩(クエン酸、酢酸、乳酸、乳酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム)が添加されていることが多い。また、食品素材(環状オリゴ糖、還元麦芽水飴、水飴)や食品用乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン等)と併用される。エタノールとの併用により抗菌活性が増加を示す食品用乳化剤としては、グリシン等のアミノ酸、香辛料抽出物、食塩、酢酸、精油成分、ソルビン酸、プロピレングリコール、EDTA等がある。エタノール濃度は目的により75%を中心にして、88%、73%、59%、41%と種々の濃度のものがある。またpHは7.5〜9.5が多いが3.0〜5.0、4.0〜5.5、5.5〜7.0と種々のものがある。

7.アルコールの食品工場への利用 

(1)機械・装置の殺菌
中性洗剤や除菌剤の器具・装置の単独処理では微生物が残存しているが、エタノール製剤の噴霧やエタノール製剤含浸不織布による清拭を併用すれば微生物はほとんど検出されない。エタノール製剤で最終工程を処理する場合は有機物や水の存在により殺菌効果が著しく低下する。作業台やボードのような硬質表面の清浄化に使用されるエタノール製剤は主にスプレーボトルからの直接、対象表面に噴霧するか、または不織布等に含浸させ拭きあげる方法で使用される。エタノール製剤が効果的に対象表面全面がエタノール製剤で均一に散布され、かつ一定時間保持される必要がある。スプレーが不十分であると殺菌効果は著しく低下するが、その場合は不織布等にエタノール製剤を含浸させ拭きあげると改善される。また不織布等にエタノール製剤を含浸させる量がその殺菌効果に大きく影響する。スポンジにエタノール製剤を含浸させて拭きあげると、スポンジに微生物が付着して増殖する。これはスポンジに多くの有機物と水分が残存しているためである。
(2)手指の殺菌
エタノール製剤は、食品やその製造環境に使用されるだけではなく、それらと直接接触する従業員の手指の殺菌にも利用されている。その適用には自動噴霧装置やハンドスプレー等各種の器具が使用されている。その殺菌効果を左右する要因は手指の汚れとエタノール製剤の量の程度である。有機物が多いと殺菌効果が低下するので、水で洗浄後にスプレーする。またその後噴霧するエタノール製剤の量が少ないとすりこみ不良となり殺菌不良となる。最も重要なポイントは手指のエタノール製剤による濡れの程度であり、この濡れが殺菌効果を左右する。

(3)床の殺菌
実際の食品工場での実験では60〜95%エタノールではほとんど殺菌効果に差はないが、殺菌スピードの速い70〜80%エタノールが多く用いられている。これまで殺菌を目的として多くの食品工場の床等にエタノールを散布してきた。このため食品製造施設、製品に種々のエタノール耐性カビ、酵母、乳酸菌が出現している。この原因は使用するエタノール濃度に起因する場合が多い。エタノールが揮発すれば、必ず水が残り、この水を利用してカビ、酵母、乳酸菌が増殖する。エタノールに種々の添加物等を入れれば、この添加物が床に残存してこれを資化するカビ、酵母、乳酸菌が増殖する。水洗等で床の洗浄し、有機物を除去した後、その工場に適応した(温度、湿度等)濃度のエタノールを散布することが大切である。また工場に散布するエタノールはできるだけ少なくて効果のある散布方法を開発していくことがポイントとなる。これまでの多くの食品工場での実例を検討し、考察するとエタノールの使用濃度及び使用量はその工場の技術的レベルを明確に示している。

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