洗剤に用いられる界面活性剤は、水の中で一定の濃度を超えるとミセルという集合体をつくります。界面活性剤の濃度が高まると表面張力は低下していき、ある濃度で一定値に達し、それ以上は濃度が高まっても表面張力の変化はほとんどありません。この表面張力が一定になる点が臨界ミセル濃度(cmc:critical micelle concentration)といいます。界面活性剤が洗浄に作用する場合には、汚れに対して界面活性剤を吸着させることが必要ですが、汚れを基質から剥がしたり、汚れを微細に分散させると、汚れの表面積が増大するため、汚れの程度に応じて新たに界面に吸着させるための界面活性剤を補給する必要が生じてきます。十分な洗浄効果を得るには、界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度以上であることが必要です。また計量ミスのような人的ミスにより洗浄効果の不足や洗浄剤の残留の問題が発生しないよう、現場で希釈方法が人目で確認ができるよう見える化などの仕組みを導入することも大切です。
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