生めんは水分含量が36〜38%と比較的高く、保存性も低い食品であり、製造工程、流通過程での適切な処理がなされていないと変敗しやすい食品である。めん類の衛生管理の指標として、1991年4月に「生めん類の衛生規範」が示され、また1996年5月の食品衛生法改正で、総合衛生管理製造過程によった製造の承認制度の導入が盛り込まれ、食品製造の衛生管理におけるHaccp方式が厚生労働省の認知を受け、各分野の製造業者も自主努力をしている。現在、全国に4000〜5000社ある生めん類の製造業者の経営規模は90%以上が月産で小麦粉百袋未満の中小企業であり、衛生管理が不十分なところが多い。生めんの衛生規範では大腸菌、黄色ブドウ球菌が陰性、生菌数が3.0×106/g以下である。生めん製造工場で製造した生めんが、貯蔵流通過程で膨張し、エタノール臭が発生し、更に変色現象が生じている。これは、製造工程で二次汚染した乳酸菌に由来するものである。生めん製造工程中の乳酸菌汚染について調べ、衛生管理について検討した。 |