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2010年新年号年頭ご挨拶(安心社会から信頼社会へ)
財団法人食品分析開発センターSUNATEC 理事長 庄司 正
  SUNATECメールマガジンの読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。2010年もSUNATECをどうぞよろしくお願い申し上げます。
  さて、昨年を振り返りますと、食品関係者にとっては数年ぶりで比較的静かな1年であったといえるのではないでしょうか。平成8年の腸管出血性大腸菌O157集団食中毒事件が発生してからは、毎年続けて大きな食中毒事件・事故が続きました。また、平成13年、日本で初めてBSE(牛海綿状脳症)が確認されて以降は、食品の安全を脅かし、さらには消費者の信頼を失墜する事件・事犯が毎年発覚・報道され、大きな社会問題に発展する事態が続いてきました。いつまでこのような事態が続くのか、食品関係者にとってまさに冬の時代の10年のようでした。
  しかし、「ピンチはチャンス」といわれます。平成14年のBSE問題に関する調査検討委員会報告で示された「今後の食品安全行政のあり方」により、日本でも消費者保護起点、リスク分析手法による食品安全の仕組みが導入されました。食品安全基本法の制定と食品安全委員会の設置です。さらに、消費者の信頼を得るために、情報公開やトレーサビリティの仕組みもまず牛肉から動き出しました。日本における食品の安全・安心確保の取組は、まさに※「安心社会から信頼社会へ」の仕組みを目指した新しい確実な歩みを始めたようです。その成果が出始めての昨年の状況であったのではないか、冬の時代の終焉に向かって歩み始めたのではないか、熱い期待を持ちたいと思います。
  なぜなら、多くの食品事業者の皆様は、食品不祥事が報道される度に、これを対岸の火事ではなく他山の石として、消費者の信頼を得る努力を重ねてきました。自主管理による食品の安全確保はもとより、トレーサビリティの確立、誠実な表示や積極的な情報提供など、まさに消費者に信頼される様々な取組を行ってきました。「安心という消費者個々の主観的評価ではなく、食品事業者の安全確保の取組や企業姿勢が見えることで、消費者が身につけた社会的知性によって食品や事業者を評価する時代となっている」、BSE対策と最前線で取り組んだ経験からこのような時代の流れを実感しているところです。
  SUNATECにおきましても、食品の安全性確認や技術向上はもとより、さらにはその顧客(消費者)の信頼を高めていくための様々な皆様の取組に対して、分析技術やコンサル事業等で貢献したいと考えております。そのためには、飛躍のための新たなチャレンジを推進し、食品の「安全・安心(信頼)、健康、おいしさ」のために、皆様にトータルソリューションが提供できる組織を目指して、本年も頑張ってまいります。
  心より、本年が皆様にとって最良の年でありますことを祈念して新年のご挨拶とさせていただきます
※「安心社会から信頼社会へ」山岸俊男、中公新書2004年(第3版)
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