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検疫所モニタリング検査について
 検疫所のモニタリング検査は輸入届出があった輸入食品から年間計画に基づき行われる検査です。食品の輸入件数や輸入量、違反率や危害度などを勘案し、計画が毎年度更新され、4月1日から翌年の3月31日までの計画として実施されます。このメルマガをお読みいただいているときには既に平成21年度のモニタリング計画として、実施されていることかと思います。厚生労働省のHPの以下のURLに計画が載せられています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/kanshi/index.html
 別表に平成19年度〜21年度の「輸入食品監視指導計画」の中のモニタリング計画を抜粋しまとめました。20年度と比較し、21年度では、総計として5%程の検査強化計画となっています。また、20年度から20%以上強化されるものを色分けしました。これから見られるように、引き続き残留農薬についての強化が行われること、また、徐々に加工品へのシフトが行われようとしていることが読み取れます。また、「輸入食品監視指導計画」の中で、平成20年6月5日付け食安発第0605001号「輸入加工食品の自主管理に関する指針(ガイドライン)」
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tp0130-1aj.html
に基づく輸入加工食品における事業者の自主管理についての指導が明記されており、今後、加工食品の監視強化が益々強まっていくと考えられます。
 農薬等のモニタリング検査は、ポジティブリスト制施行とともにその数が一機に増加し、この3年間程度は、400〜500農薬が検査対照となっており、効率よく輸入食品の食品衛生法適否を見るため、また海外で使用農薬が変更されたことによる突然の違反事例化などに対応するために、横浜・神戸の両検疫所で一斉分析を中心に検査されます。また、毎年検査対象となる農薬も少しずつ変更されています。変更されていく農薬は、1年間の間に両検疫所で一斉分析法へ適用が可能と判断されたが追加されることが基本と考えられます。
弊財団でもモニタリング検査項目の中で、検疫所と同様に一斉分析で対応できる検査項目は「モニタリング検査対応の一斉分析」として提案させていただいています。
http://www.mac.or.jp/analysis/agricultural_chemicals/detail.htm
 また、500農薬の検査は、その大部分は一斉分析による検査ですが、全ての対象農薬等が一斉分析で出来るわけではなく、40〜50の農薬は必ず個別分析が必要となります。
 検疫所でのモニタリング検査と同様な形で自社製品の監視を行う上では、上記のようなモニタリングに対応した一斉分析と使用履歴やモニタリングでの違反事例(下記URL参照)に基づいた個別分析を組み合わせ検査されることを推奨いたします。
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tp0130-1ae.html
 検疫所によるモニタリング検査によって、食品衛生法違反となった場合は、通関前であれば、「廃棄・積戻し」、通関されていれば回収などの重い措置が取られ、同生産国の同食品が輸入される場合は、輸入頻度の30%について同様に検査が行われ、食品衛生法違反に蓋然性が有るのか否かを判断します。そして、再度違反事例が出た場合には、蓋然性がすこぶる高いとの判断がされ、「命令検査」に移行し、モニタリングでは許されていた検査結果を待たずに通関ができなくなり、検査結果で食品衛生法違反でないことを確認してからの通関となります。このような手順による平成20年度にモニタリング強化、もしくは命令検査に移行したものは以下のURLにて確認が出来ます。
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/kensa/03.html
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/monitoring/02.html
別表:平成19年度〜21年度(案)のモニタリング計画
食品群 検査項目 19年度
項目別件数
20年度
項目別件数
21年度(案)
項目別件数
畜産食品
牛肉、豚肉、鶏肉、馬肉、
その他食鳥肉等
抗菌性物質等 2,850 2,200 2,150
残留農薬 1,650 1,700 1,900
成分規格等 650 650 700
畜産加工食品
ナチュラルチーズ、食肉製品、
アイスクリーム、
冷凍食品(肉類)等
抗菌性物質等 1,050 1,500 2,700
残留農薬 0 550 1,050
添加物 1,100 1,100 1,300
成分規格等 2,250 1,800 2,050
水産食品
二枚貝、魚類、
甲殻類(エビ、カニ)等
抗菌性物質等 3,150 3,500 2,300
残留農薬 750 850 2,100
添加物 300 250 250
成分規格等 900 900 600
水産加工食品
魚類加工品(切り身、乾燥、
すり身等)、
冷凍食品(水産動物類、魚類)、
魚介類卵加工品等
抗菌性物質等 4,150 3,300 4,350
残留農薬 250 1,750 2,250
添加物 2,450 1,800 1,850
成分規格等 6,000 3,900 3,650
農産食品
野菜、果実、麦類、とうもろこし、
豆類、 落花生、ナッツ類、
種実類等
抗菌性物質等 650 750 700
残留農薬 18,200 18,350 14,500
添加物 600 600 850
成分規格等 850 1,250 1,000
カビ毒 2,200 2,200 2,950
遺伝子組換え食品 1,550 1,250 700
農産加工食品
冷凍食品(野菜加工品)、
野菜加工品、果実加工品、
香辛料、即席めん類等
抗菌性物質等 0 0 100
残留農薬 5,000 6,500 9,150
添加物 4,400 4,200 4,300
成分規格等 2,200 2,100 2,650
カビ毒 2,250 2,250 1,800
遺伝子組換え食品 200 200 300
放射線照射 0 300 600
その他の食料品
健康食品、スープ類、調味料、
菓子類、食用油脂、冷凍食品等
抗菌性物質等 300 300 0
残留農薬 250 250 200
添加物 3,100 3,100 2,850
成分規格等 700 650 700
カビ毒 600 600 700
飲料
ミネラルウォーター類、
清涼飲料水、アルコール飲料等
残留農薬 300 300 400
添加物 900 900 850
成分規格等 900 900 1,000
カビ毒 300 300 100
添加物
器具及び容器包装
おもちゃ
成分規格等 1,300 1,800 2,800
検査強化食品分 抗菌性物質等、残留農薬、添加物、成分規格等、カビ毒、遺伝子組換え食品、放射線照射 5,000 5,000 5,000
総計(延数) 79,250 79,800 83,400
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