「食品期限表示の設定のためのガイドライン」(以下、ガイドライン)は、平成17年2月に厚生労働省と農林水産省から示された。その中では、1未満の係数(安全係数)をかけて、客観的な項目(指標)の試験結果から得られた期限よりも短い期限を設定することが基本、とされている。ガイドライン策定検討会では、この安全係数について0.8程度の値を想定していたが、実際には極端に小さい値が使用されている場合も多いようである。ガイドライン策定検討会の座長を務めさせていただいた立場上、安全係数の使われ方について憂慮していた。このような傾向を是正するために、最近、国のレベルで提言や指導がなされている。本稿では、それらの動きについて解説する。 |