腸炎ビブリオは、これまでにご紹介した黄色ブドウ球菌、サルモネラ属菌と同様に食中毒起因菌のひとつです。腸炎ビブリオは、一般的な海洋細菌であり、海水、海産魚介類から普通に検出されます。但し、ヒトに腸炎を引き起こすタイプの細菌は、海水、海産魚介類からは、稀にしか検出されません。食塩濃度3%で最もよく発育し、発育可能な温度帯は10〜42℃(至適温度:35〜37℃)、10℃以下では発育することが出来ません。
したがって、主な食中毒原因食材は、海産魚介類及びそれらの加工品であり、これらが未加熱の状態で触れる可能性があるまな板、包丁などの調理器具などにも注意を払う必要があります。
また、発育可能な温度帯(10〜42℃)を考慮すると、主に6月〜10月の比較的温度が高い時期に食中毒事例が多くなる傾向があります。 |