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企業の衛生管理について
はじめに
 平成15年に食品の安全性に関わる様々な問題を受け、食品安全基本法が制定され、食品の安全性の確保に関わる食品関係者の責務が規定されました。但し、施行後も毎日のように食の安心・安全を揺るがす事件が発生しており、消費者の不安は高まる一方です。それに伴い、食品関連製造施設に対して非常に厳しい安全性が求められるようになってきています。食品製造者にとって、安全性を確保する為の衛生管理の実践は第一の使命です。
食品企業の衛生管理
@食品衛生法による衛生管理
 食品衛生法では食品製造業者の安全性確保に対する責任を明確にするために食品の自主衛生管理制度を法制化しており、具体的な管理運営基準は、各知事、政令市長が定めることとされております。一方、厚生労働省では施設の管理、設備の管理保全、食品等の取扱い、従業員の衛生管理、記録の保管、検食の保存、衛生教育などの管理運営基準準則を示しています。また同省では、弁当及びそうざい、漬物、洋生菓子、セントラルキッチン/カミサリーシステム、生めん類についての指針として衛生規範を示しており、衛生管理体制を構築するために施設の整備、管理運営の基準について具体的な記述がされています。
AHACCPと衛生管理

 HACCPは最終製品の検査に依存するのではなく、食品の安全性を確保するために危害の調査・分析と防止するための監視を行うシステムであり、厚生労働省はHACCPを根幹とする総合衛生管理製造過程承認制度を設けております。HACCPは自主的な衛生管理を推進していくためのツールであり、検証を繰り返しながら、衛生管理を向上していくものであります。

B食品衛生7S、ISO22000と衛生管理

 食品衛生7Sは食品環境の整理・整頓・清掃・躾・殺菌・洗浄を手段として、環境を清潔にし、食品の安全・安心を得るための活動であり、実施する内容の多くは、ISO22000システムの基盤としての役割を果たすことができます。

C自主管理認証制度と衛生管理

 ここ数年、HACCP手法或いは一般衛生管理の考え方を取り入れた自治体主導による自主衛生管理認証事業が全国規模で拡がりを見せており、食品企業における安全性確保に向けた衛生管理水準の底上げといった効果が期待されています。
 (財)食品分析開発センターSUNATECでは、食品製造事業者に対して、品質管理システムの構築支援として、食品衛生管理の基礎となる「一般的衛生管理プログラム」や「食品衛生7S」及び「HACCP」のエッセンスを取り入れた危害の特定とその危害の発生を防止する手法として、「SUNATEC自主衛生管理認証制度」を創設しております。
 この制度は、消費者からは見えにくく、あまり評価される機会がない衛生管理に関する取り組みを厚生労働大臣登録検査機関である弊センターが衛生管理システムの構築をサポートすると共に、一定の衛生水準を満たしていることを食品製造事業者に対し認証する制度です。この認証により、消費者により安全で安心できる商品を提供頂けるよう、食品衛生・品質管理から環境改善までの多目的なニーズ、マニュアル・手順書・記録類の作成をご支援いたします。
 食品製造事業者は、第三者機関による認証を取得する事により、常日頃の衛生管理に対する自主管理の努力が客観的に評価され、取引先や消費者からの社会的信頼が得られます。又、社内での衛生管理システムが構築される事により、従業員のスキルアップやモチベーションがアップされ、組織全体の意識の一本化が期待できます。並びに自社製品の安全性が向上することにより、他社との競争力の強化が実現されるといったメリットも期待できます。

参考文献
食の安全と企業戦略(亀和田光男、森地敏樹、小林登史夫 編)幸書房
食品衛生7S導入編(米虫節夫編著)日科技連
以上
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