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消費期限、賞味期限の設定について
表-1 微生物検査項目とその検査目的
検査項目 目的
一般細菌数 食品の衛生学的品質を評価する衛生指標菌
大腸菌群 環境衛生管理上の汚染指標菌、食品の品質を評価する衛生指標菌
黄色ブドウ球菌 耐熱性毒素(エンテロトキシン)を産生する食中毒菌、人の手指・鼻・髪の毛などにも存在(人の常在菌)
大腸菌(E.coli) 糞便汚染の指標菌、人や動物の腸管内に存在
カビ・酵母(真菌) 製造・保管環境の確認
セレウス菌 自然環境に広く存在、熱や乾燥に対して非常に強い(芽胞形成菌)
腸炎ビブリオ 魚介類から高率に検出される食中毒菌、増殖速度が速いので注意が必要
サルモネラ菌 鶏卵、食肉、乳製品等から高率に検出される食中毒菌
好気性芽胞形成菌 耐熱性菌の確認(酸素がある状態で生育しうる耐熱菌)
嫌気性芽胞形成菌 耐熱性菌の確認(酸素がない状態で生育しうる耐熱菌)
表-2 理化学検査項目とその検査目的
検査項目 目的
水分活性 食品中の微生物が増殖に際して利用できる水分、即ち、食品中の自由水の割合を示す指標であり、微生物の増殖のしやすさの目安となる。
水分 吸湿の度合いを示す指標である。
pH 品質劣化の指標、腐敗が進むと生成されるアンモニアによりpHはアルカリ側に移行、微生物の生育条件に影響を与える。又、腐敗により酸が生じる場合、pHは酸性側に移行する。
酸価 油脂の酸敗により生じる脂肪酸を測定する方法であり、油脂の劣化を示す指標である。
過酸化物価 油脂の酸化の初期に生成する過酸化物を測定する方法であり、油脂の劣化を示す指標である。
揮発性塩基窒素(VBN) 魚介類、畜肉などのタンパク質性食品では、食品の変質による鮮度の低下により、アンモニア、アミン類などの揮発性塩基窒素を生成するため、鮮度判定の指標とされる。
酸度 品質劣化の指標であり、生成する酸を測定する方法である。緩衝作用を有する食品の場合、必ずしもpHの低下と一致しない。
沈殿、混濁物 清涼飲料水、又は粉末清涼飲料の成分規格において、沈殿、混濁物の基準(基準:混濁及び沈殿物を認めない。)が設定されており、賞味期限設定の目安となる。
ビタミン類 栄養成分表示を行う場合、賞味期限内は、表示した成分が、その表示含量含まれている必要があります。栄養成分中、安定性の悪いビタミンは、含量を確認しておく必要がある。
色度(色差) 経時的に変色、退色する食品等において、色の変化を示す指標の一つである。
ゲル強度 水産練り製品、食肉加工品等において、食感に影響する評価項目の一つである。
粘度 経時的に粘性が変化する食品において、粘性の変化を示す指標の一つである。粘度は、流動性、食感等に影響し、嚥下障害食等においては、重要な指標となる。
臭気(香気) 官能検査において得られた結果の差の原因となる物質の推定、或いは、官能検査の結果に対し、その結果を裏付けるデータを付加することができる。

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