フラボノイド系色素は植物の葉、茎、花弁、果実等に広く存在し、黄、赤、青色の広範な色調を有する。中でも、ベニバナ黄色素は広く食品に使用されているが、色素成分の組成が複雑なために、TLC上で主色素成分の明瞭なスポットは得られず、簡便な逆相薄層クロマトグラフィー(TLC)による分析は困難であった。そこで、著者らはベニバナ黄色素を固相カートリッジにより精製後、分析を試みたところ、主成分の明瞭なスポットが得られ、食品分析への応用も良好であることを見出した。本稿ではベニバナ黄色素のTLCによる簡便な分析法を紹介する。
本研究は、愛知県豊川保健所田原支所 渡邊美奈恵氏、愛知県衣浦東部保健所 尾関尚子博士、愛知県食品衛生検査所 林 智子博士、岡崎市保健所 板倉裕子氏、愛知県衛生研究所 伊藤裕子博士、後藤智美博士らとの共同研究で実施されたものであり、その旨をここに記載し、謝意を表します。
M. Watanabe, T. Aoyama, Y. Takasu, K. Inoue, M. Terao, Y. Ito, H. Oka, T. Goto, Hi. Matsumoto, J. Liq. Chromatogr., 28, 352-334, 2005.
名城大学薬学部(1970年)
薬学博士(1986年)
米国国立衛生研究所(NIH、1988-89年、一年間)
Current Issues in Regulatory Chemistry 共著 2000 AOAC INTERNATIONAL Encyclopedia of Separation Science Vol.5(V) 共著 2000.5 Academic Press 日本薬学会編 衛生試験法・注解 2005 共著 2005.3金原出版 第十五改正日本薬局方解説書 共著 2006 廣川書店
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