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カボチャのヘプタクロルについて
 9/6に北海道のカボチャから基準値(0.03ppm)を超えるヘプタクロル(ヘプタクロルエポキシドを含む)が検出され、160tが焼却されることが決まった。カボチャからヘプタクロルが検出する事実は実績のある検査機関であれば、実態としては知っていたと思われる。(検出するのは決まって、ヘプタクロルエポキシド)ポジティブリスト制施行以前は農産物に基準はなかったため、実際に検査を行って検出されてもお咎めなしだったが、ついに基準値超えが出たかとの感想である。弊財団でもカボチャの検査も行ってきたが、最近の検査例では検出したことがなかったため、「大丈夫なのかもしれない。」と思っていた矢先の出来事だった。検体でカボチャが来ると「きゅうりのディルドリン」と同様、なんとなく「ヘプタクロルエポキシドは出ないかな?」と心のどこかで気になる存在であった。
 もちろん、きゅうりからヘプタクロルエポキシドが出る場合、カボチャからディルドリンが出る場合の双方も経験はしているが、きゅうりはディルドリン、カボチャはヘプタクロルエポキシドと因果関係があるように思えて仕方がない。また、両農薬は分子構造もよく似ている。
なお、ディルドリン、ヘプタクロルエポキシドは他の「瓜類」でも検出の経験がある。よく瓜類は果実を成長させる際に大量の水を吸い上げるため土壌残留農薬を水と一緒に吸い上げ、蓄積すると説明されるが、土壌に残留する農薬は他にもあるはずで、瓜類に関しては選択的に「ドリン剤様構造物質」を蓄積しているとしか思えない。何れにしても今後「瓜類」の自主検査には国内外品を問わずドリン剤、ヘプタクロルの検査は必須になることは間違いないだろう。
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