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加工食品の栄養表示について
 スーパーマーケット等で加工食品を手にすると、かなりの商品について「たんぱく質・脂質・炭水化物・ナトリウム」の含量、熱量等の「栄養成分」が表示されています。
 これらの表示は、一定のルールに基づいて行われており、そのルールが『栄養表示基準』です。 栄養表示基準は、生活習慣の変化と、栄養成分に関する国民の関心が高まりに伴い、一定の基準に従い、必要な情報が提供と食を通じた健康づくりを推進することを目的とし、平成15年5月1日に施行された健康増進法によって定められました。
養表示基準の適用
→ (1)一般の消費者に販売される加工品等(業務用の加工用材料、鶏卵を除く生鮮食料品
  は対象外)の
容器包装や、添付文書へ「日本語で栄養表示」をしようとする場合。
→ (2)輸入した食品に日本語で栄養表示をして販売する場合。
これらの場合について適用されます。
 栄養成分表示は、全ての食品に表示することが義務付けられているわけではありません。
 業務用の加工用材料、生鮮食料品(鶏卵を除く)は適用対象外です。 これら以外のいわゆる「加工食品」についても、表示が義務付けられているわけではなく、あくまで任意において栄養成分を 食品へ表示しようとする際に基準が適用されます。
原料由来
→ (1)熱量
→ (2)たんぱく質
→ (3)脂質
→ (4)炭水化物(糖質+食物繊維)
→ (5)無機質(12成分)
  亜鉛、カリウム、カルシウム、クロム、セレン、鉄、銅、ナトリウム、マグネシウム、
  マンガン、ヨウ素及びリン
→ (6)ビタミン(13成分) ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、
  ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、
  ビタミンK及び葉酸
 これらの栄養成分のうち、『たんぱく質、脂質、炭水化物(糖質及び食物繊維の表示に代えることができる。)、ナトリウム、及び熱量』(上記青文字)については、一般表示事項として表示が義務付けられています。
 3大栄養成分である「たんぱく質」、「脂質」、「炭水化物」の表示に加え、過剰摂取が高血圧等の要因となる「ナトリウム」、同じく過剰摂取が肥満の原因となる「熱量」の表示が義務付けられていることで、食品の製造業者や販売業者等にとって都合がよい栄養成分等だけが表示されないようになっており、製販業者よりむしろ消費者の立場に立った表示制度となっています。
強調表示
一般表示事項に対し、「高カルシウム」、「低カロリー」等の表示の様に、栄養成分や熱量に関して、『強調表示』をしようとする場合には、「強調表示基準」を満たす必要があります。 強調表示には、
→ (1)補給ができる旨
「高」「多」「豊富」、「源」、「供給」「含有」「入り」「添加」
→ (2)適切な摂取ができる旨
「無」「ゼロ」「ノン」「低」「ひかえめ」「ライト」「ダイエット」
の2通りの表示があり、補給ができる旨については19成分(たんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸)、適切な摂取ができる旨については6成分(熱量、脂質、飽和脂肪酸、糖類(単糖類及び二糖類に限り糖アルコールは除く)、ナトリウム、コレステロール)について強調表示基準が設けられています。
また、強調表示は
→ (1)絶対表示
定められている基準値以上あるいは以下(未満)の条件を満たしていることを強調
→ (2)相対表示
同種の商品と比較した時に、その食品に含まれている栄養成分がそれよりも高いあるいは低いことを表示
の2つの表示方法があります。
 これらの強調表示は、製造業者、販売業者がアピールしたい加工食品の特徴であるのと同時に、消費者が、その食品の摂取目的や、販売の意図等を容易に理解でき、一般表示事項以上に、製品選択時の有用な情報となります。
栄養機能食品制度
 「栄養機能食品」とは、1日に必要な栄養成分を摂取できない場合に、その補給、補充に利用する食品です。
 平成13年4月1日より、栄養機能食品制度が施行され、ミネラル5種類、ビタミン12種類について、「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。」というように、栄養成分の機能を製品に表示することが可能となりました。
 栄養機能の表示は、1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が、規格基準を満たせば、厚生労働省等への許可申請や届出の必要はなく、自由に表示することができます。

<栄養機能食品の対象となる栄養成分(ミネラル、ビタミン)、及び栄養機能表示>
  栄養成分 栄養機能表示
ミネラル 亜鉛
亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です。
亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
亜鉛は、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ栄養素です。
カルシウム カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。
鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素です。
銅は、赤血球の形成を助ける栄養素です。
銅は、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける栄養素です。
マグネシウム マグネシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。
マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、
血液循環を正常に保つのに必要な栄養素です。
ビタミン ナイアシン ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
パントテン酸 パントテン酸は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビオチン ビオチンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンA ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。
ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンB1 ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける
栄養素です。
ビタミンB2 ビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンB6 ビタミンB6は、たんぱく質からのエネルギーの産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける
栄養素です。
ビタミンB12 ビタミンB12は、赤血球の形成を助ける栄養素です。
ビタミンC ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。
ビタミンD ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。
ビタミンE ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける
栄養素です。
  葉酸 葉酸は、赤血球の形成を助ける栄養素です。葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する
栄養素です。
栄養表示と栄養成分分析
 栄養表示基準に従った表示がされていない場合、厚生労働大臣は、栄養表示基準に従い必要な表示をすべき旨を勧告することができ、勧告を受けた者が、正当な理由なくその勧告に係る措置を取らなかった時は、更に、措置をとるべきことを命ずることができ、この命令に違反した場合、50万円以下の罰金に処せられることになります。(健康増進法 第32条、第37条)
 栄養成分の含有量の表示に際しては、必ず分析を行わなければならないものではなく、理論値での記載も認められています。
 しかし、理論値での表示の場合、実際に栄養成分の分析を行い、結果として表示された含有量が正確な値でないと判断された場合は表示基準違反となります。
 また、表示された含有量は、製造日や販売日ではなく、その食品の消費期限又は品質保持期限の期間中、表示された値であることが求められており、ビタミン類は経時的変動が大きいため、表示には注意が必要となります。
 栄養成分表示は、理論値ではなく、実際の分析値に基づいた表示をお勧めします。
栄養成分分析のご紹介
 SUNATECでは、栄養表示基準における栄養成分等の分析を実施しており、お値打ちなセット商品(栄養分析セット)を準備させていただくと供に、消費期限や品質保持期限内の表示された含有量の残存を検討・確認するための保存試験等もご依頼者様と保存条件等を相談の上、実施致しております。
▼SUNATEC栄養成分分析のご案内
http://www.mac.or.jp/mail/060901/05.shtml
栄養標準基準概要
参考)厚生労働省のホームページ
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/index.html
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