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異物混入の帽子について 〜コンサルティング部門
異物混入の原因
 異物の混入を未然に防止する為には、混入の経路を事前に確認しておく必要があります。
大きく分けて異物の混入の経路には次の3つが考えられます。
効率的・効果的な検査を行うために
 又、上記3つをさらに細分化すると次の要因に分けられます。
原料由来
→ 1)収穫前に野外で付着した害虫、土砂等の混入
→ 2)収穫後、保管中に混入した害虫、ねずみ等の混入
→ 3)購入後、保管中に混入した害虫、土砂等の混入
→ 4)1次加工時の除去不備による骨、羽、貝殻、植物片等の混入
→ 5)抗生物質接種時の注射針の混入
製造工程中における混入
→ 1)施設関連の異物
・施設部品の落下による混入
・施設清掃不足によるホコリ、害虫死骸等の混入
・扉、窓等の開放及び隙間から害虫、ホコリ等の外部からの侵入
・施設ペイント部分の剥離による混入
→ 2)機械器具関連の異物
・機械部品の欠落による混入
・機械部品の磨耗による微金属粉等の混入
・機械メンテナンスに使用した工具の混入
・機械器具類洗浄不足による洗浄剤、食品残渣の混入
→ 3)ペスト関連の異物
・作業場内に生息する鼠族・害虫及びその破片の混入
→ 4)作業従事者関連の異物
・作業従事者の髪の毛、体毛、爪等の欠落による混入
・作業従事者の装着品の指輪、ピアス、腕時計、マニキュア等の欠落による混入
・作業従事者の衛生着衣等ボタン、ファスナー、手袋の欠落による混入
・作業従事者の不要物の携帯による混入
→ 5)製造過程関連の異物
・製造・加工工程で生成された焼きコゲ等の混入
・保存中に生成した内容物の析出の混入
・同一ライン若しくは同一作業場で製造された他の食品の混入
→ 6)容器・包装関連の異物
・容器・包装製造過程での容器材料細片の混入
・容器・包装保管時の害虫、ホコリ等の混入
製品保管中における混入
→ 1)保管場所
・床付近で保管等歩行時の飛沫による異物の混入
・洗浄シンク付近で保管し洗浄時の飛沫による異物の混入
・廃棄物置場周辺で保管し、害虫等の侵入
→ 2)保管方法
・開封保管による害虫、ホコリ等の混入
異物混入の防止
 異物の混入経路を確認したところで防止対策を構築します。
 先程の異物混入の経路3通りそれぞれに異物混入の防止対策を構築します。
 防止対策例として下に記載します
原料由来
→ 1)収穫前に野外で付着した害虫、土砂等の混入
→ 2)収穫後、保管中に混入した害虫、ねずみ等の混入
・信頼できる原材料購入業者を選定する。
・定期的な現地査察及び原材料購入業者作業従事者に対し、衛生教育を実施する
・原材料購入時の検収はよく点検し良い原料のみ購入する。
→ 3)購入後、保管中に混入した害虫、土砂等の混入
・保管場所は、整理整頓され清掃された清潔な状態を保つ事。
・保管に最適な温度、湿度を保つ事。
・直置きせず又壁面から50cm以上離し保管し、害虫侵入防止、風通りを良くする、清掃を容易に行える状態を維持する事。
・購入時は、必要最低限の数量とし、極力保管量を少なくする事。
・保管は密封する事。
→ 4)1次加工時の除去不備による骨、羽、貝殻、植物片等の混入
1)2)と同様に、
・信頼できる原材料購入業者を選定する。
・定期的な現地査察及び原材料購入業者作業従事者に対し、衛生教育を実施する
・原材料購入時の検収はよく点検し良い原料のみ購入する
製造工程中における混入
→ 1)施設関連の異物
(1)施設部品の落下による混入
 ・施設の日常保守点検を確実に実行し、施設の破損部分を事前にチェックし対処する事。
(2)施設清掃不足によるホコリ、害虫死骸等の混入
 ・施設の清掃をマニュアル通り実施し、作業場内を衛生的に維持する事。
 ・施設の構造を清掃の行いやすい状態に設計する事。
(3)扉、窓等の開放及び隙間から害虫、ホコリ等の外部からの侵入
 ・密閉状態の作業場環境を常とする事。
 ・開閉可能な窓には網戸を設置する事
 ・内壁、天井の隙間をふさぎ、排水口には金属格子を設置する事。
(4)施設ペイント部分の剥離による混入
 ・施設の日常保守点検を確実に実行し、施設の破損部分を事前にチェックし対処する事。
→ 2)機械・器具関連の異物
(1)機械部品の欠落による混入
(2)機械部品の磨耗による微金属粉等の混入
 ・機械・器具の日常保守点検を確実に実行し、施設の破損部分を事前にチェックし対処する事。
(3)機械メンテナンスに使用した工具の混入
 ・工具置場の整理整頓を確実に行う事。
(4)機械・器具類洗浄不足による洗浄剤、食品残渣の混入
 ・洗浄マニュアルを作成し、作業場への落とし込みを徹底する事。
→ 3)ペスト関連の異物
(1)作業場内に生息する鼠族・害虫及びその破片の混入
 ・施設の清掃をマニュアル通り実施し、作業場内を衛生的に維持する事。
 ・定期的にペストコントロールを実施し、作業場内を衛生的に維持する事。
 (専門業者への委託含む)
→ 4)作業従事者関連の異物
(1)作業従事者の体の一部の髪の毛、体毛、爪等の欠落による混入
 ・髪の毛は短く整えると共に、爪を短く切り揃え出勤する事。
 ・定められた清潔な服装で体全体を覆い、髪の毛、体毛落下防止に努める事。
(2)作業従事者の装着品の指輪、ピアス、腕時計、マニキュア等の欠落による混入。
 ・作業開始前に必ず装飾品を取り外す、又従業員教育の徹底が必要。
(3)作業従事者の衛生着衣等ボタン、ファスナー、手袋の欠落による混入
 ・作業着には極力ボタン、ファスナー等使用していない構造を使用する。
(4)作業従事者の不要物の携帯による混入 
 ・作業着には極力ポケットの無い構造を使用する。
→ 5)製造過程関連の異物
(1)製造・加工工程で生成された焼きコゲ等の混入
(2)保存中に生成した内容物の析出の混入。
 ・目視による最終確認の実施。
 ・製造マニュアル各工程のモニタリング条件の見直しの実施。
(3)同一ライン若しくは同一作業場で製造された他の食品の混入
 ・施設の清掃及び使用した機械・器具の洗浄をマニュアル通り確実に実施する事。
→ 6)容器・包装関連の異物
(1)容器・包装製造過程での容器材料細片の混入
 ・洗浄後使用する。
(2)容器・包装保管時の害虫、ホコリ等の混入
 ・密封保管し、外部からの害虫、ホコリ等の混入を防止する。
検査機関の選定
→ 1)保管場所
(1)床付近で保管等歩行時の飛沫による異物の混入
(2)洗浄シンク付近で保管し洗浄時の飛沫による異物の混入
(3)廃棄物置場周辺で保管し、害虫等の侵入
 ・衛生的な場所で保管する事
→ 2)保管方法
(1)開封保管による害虫、ホコリ等の混入
 ・密封保管の徹底が必要
作業工程に異物除去工程(選別工程)を取り入れる場合もあります。一般的に取り入れられている工程を記載します。
・ マグネット選別装置
・ 比重選別装置
・ 風力選別装置
・ 色差選別装置
・ 透視カメラ選別装置
・ 石取り装置
又、異物確認の混入防止確認の為、作業工程中に確認工程を取り入れる場合があります。一般的に取り入れられている工程を記載します。
・ 金属探知機
・ X線探知機
モニター部分・・・・X線探知機  奥の白いボックス・・・・金属探知機
コンサルティング業務紹介
 異物混入事件が発生すると、人の健康を損なう原因となりうる異物の場合は、「食品衛生法違反」となり法的処罰が下されます。
 又、有害とはならない異物においても、製造工程中の環境や取り扱いに不備があった証拠と考えられる為、商品価値を損ね、企業イメージダウンに?がり企業の存続も危うくする事態を招きかねません。
 そこで、SUNATECでは異物の混入を未然に防止する為の安全システム作りのお手伝いを行なっています。
異物混入の発生要因の調査
 原材料、資材、製造環境、製造工程における異物混入発生要因を調査いたします。
適切な異物混入防止対策の提案
 発生要因を分析した上で、適切な異物混入防止対策を提案いたします。
異物に関するライブラリー作成
 原材料、資材由来及び製造環境、製造工程で使用されている金属類、プラスチック類、塗料片等のリストアップ及び理化学的検査による組成分析(フーリエ変換赤外分光光度計FT-IR)を行い、異物混入クレーム発生時の早急な対応を可能にします。
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